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「あなたは許されたわけではない」 息子刺殺で猶予刑の母に裁判長が説諭(産経新聞)

 高額な医療負担に悩み、自殺未遂で意識不明となり入院中だった当時40歳の長男を刺殺したとして、殺人罪に問われた無職、和田京子被告(67)の裁判員裁判の判決公判が22日、東京地裁で開かれた。山口裕之裁判長は「精神的に追い込まれた中で犯行に至ったことは同情の余地がある」として、懲役3年、執行猶予5年(求刑懲役5年)を言い渡した。

 判決の言い渡し後、山口裁判長は「これは人を殺すことで事態を打開することを認める判決ではありません」と和田被告に説諭。さらに、「特にお孫さんたちには、あなたが許されたわけではないということを伝えてください。これが裁判員の思いです」と続けると、和田被告は涙ながらに「ありがとうございました」と深々と頭を下げた。

 山口裁判長は判決で、「(高額な医療費に保険が適用されないという)局面を乗り越えるために手段を尽くす余地はあった」と、犯行が短絡的であったと指摘。一方、「意識回復の可能性がほとんどないまま延命治療を受ける被害者を哀れに感じ、死ぬことを望んでいるのではないかと考えた経緯は理解できる」と、一定の同情を示した。

 判決後に会見した裁判員経験者の女性(55)は「自分だったらどうしただろうと考えたが、結論は出ない。裁判員の難しさを感じた」。また、男性会社員(34)は「痛ましい事件を減らすために、保険制度や医療制度の見直しが必要」と話した。

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